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商社マン・エグゼクティブクラブ　メールマガジン　Ｖｏｌ.40　2010/8/12
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商社マン大使



お盆休み、引き続きの連日の猛暑。甲子園の高校球児の活躍がマスコミを賑
わしています。昨日の仙台育英VS島根開成戦は9回２死からの逆転のドラマ。
それもまさかのタイムリーエラーとファインプレーの幕切れ。若者ならでは
の溌剌プレーで観衆を楽しませてくれています。


元伊藤忠商事社長の丹羽宇一郎中国大使が赴任され、色々な意味で話題を投
げかけています。　7月末のFTA関連の発言は商社出身らしい、経済面の切り
口から日中関係の将来を語っている点が印象的です。（以下URL参照）

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100723/biz1007232204031-n1.htm

商社出身の方が大使に就任された最近のケースは今年の6月にアフリカの駐
ブルキナファソの初代大使に丸紅出身の杉浦勉氏、昨年のアフリカ、ボツワナ
大使に三井物産出身の松山良一氏があります。　

総合商社OBの大使はこれで9人目となり、うち6人が2006年以降の就任。商社
OBの存在感はここ最近特に際立っており、資源外交の重要性が増すなかで、
国際的なビジネス経験や人脈が豊富な商社マンへの期待は高まる一方という
ことのようです。


とはいえ、大国である中国の大使と言うことで丹羽大使に対する厳しい評価、
政治主導の民間人起用とその成果への期待感は他の商社OB大使とは比較ので
きないほど違いがあると言えます。

先ずは、外務官僚の縄張り（利権）を侵す格好になっている点ですが、経済人
に政治ができるのかとの懸念は丹羽大使の個人的な器の問題と共に指摘されて
います。

又、商社業界の中で大使と伊藤忠の関係とその他の商社の関係を心配する向き
もあります。　つまり、丹羽大使が伊藤忠よりの動き（便宜を図る等）をする
のではとの懸念を持っているということです。


確かに海外では大使館と商社は良い意味で日本からの代表選手同士という
ことで、現地の政治、経済に関する情報交換を行っています。謂わば、持ちつ
持たれつの関係にあり政経分離が実質的なされていた事実があります。例え
ば、大使館主催のセレモニーの場合には各商社も商売抜きで側面から協力して
盛り立てるといった関係があるわけです。

商社出身の経済人が政治を行うということで政経分離に微妙な部分が出てきた
こともあり、伊藤忠以外の商社にとってはある意味でやりにくい大使と言える
かもしれません。

しかし、そこは大人の対応として日本の国益を代表する大使を盛り立てて行く
必要があるように思われます。　


シニア商社マンの星として丹羽大使のご活躍に期待したいところです。


座間　安紀夫

（株）ハート・クオリア代表
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